本セミナーは終了いたしました ‐開催レポートのご案内-
荷主企業が押さえるべき輸配送DXの最新動向と成功事例セミナーは、ご好評のうちに終了いたしました 。 当日は多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
本セミナーにご興味をお持ちいただいた方、当日ご都合がつかなかった方のために、当日の講演内容をまとめた「セミナーレポート」をご用意しております 。

深刻化する物流クライシスと荷主の責務
深刻なドライバー不足により輸送力は不足し、運んでもらえない時代に突入します。

DXを阻む壁の打破と新物流法への対応
輸送依頼のアナログ依存やコスト不安がDXを阻みますが、法改正を機に物流をインフラと捉え、データ活用による本質的変革を目指すことになります。

「選ばれる荷主」となるための具体的なDX戦略
運送会社が運びやすいよう、情報リードタイム延長や納品条件緩和、自動配車システム導入によるスモールスタートが鍵となります。
1.深刻化する物流クライシスと荷主企業に求められる変革
現在の日本社会は、生産年齢人口の減少という避けられない課題に直面しています。特に物流業界では、トラックドライバーの成り手不足が深刻化しており、有効求人倍率は全産業平均の約2倍に達しているのが現状です。これは、まさに「運んでもらえない時代」の到来を告げる警鐘であると言えます。
私どもが様々な情報源から得ているデータによりますと、何も対策を講じなければ、2024年度には約14%、2030年には約34%もの輸送力が不足する可能性が指摘されています。このような物流クライシスは、単に運送会社の課題に留まらず、すべての荷主企業にとって事業継続に関わる喫緊の課題となるでしょう。
深刻化する人手不足とトラックドライバー問題
生産年齢人口は2000年代以降減少傾向にあり、特に労働力人口の減少は本格化しています。これにより、トラックドライバーの成り手は一層減少し、約1995年をピークに減少の一途を辿っています。
この状況は、運送会社が荷主を選ぶ時代へと移行する可能性を示唆しています。運送会社は、限られたリソースの中で、より効率的で負担の少ない荷主を優先せざるを得ない状況になりつつあります。

物流の安定維持に不可欠な荷主企業の役割
この厳しい状況下で物流を安定的に維持するためには、運送会社のみならず、荷主企業もまた積極的に変革に取り組むことが求められます。運送業界の平均営業利益率はわずか0.6%と非常に低い水準にあり、賃上げなどの待遇改善が困難な状況です。
昨日と同じビジネスモデルでは、明日も物が運べるとは限りません。荷主企業は、自社の物流が社会全体を支えるインフラであるという認識を持ち、自社のミッション達成のためにも、運送会社任せにせず、主体的に物流DXに取り組むリーダーシップが不可欠になります。
2.荷主企業の物流DX推進を阻む壁とアンケートが示す現状
船井総研ロジが実施したアンケート調査によると、荷主企業の多くが物流DXに取り組む必要性を認識している一方で、その推進には多くの障壁が存在していることが明らかになりました。
約61%の企業が何らかの形で物流DXに取り組んでいると回答しているものの、社内での理解度や重要性の認識にはばらつきが見られます。特に、物流部門の担当者だけがDXの重要性を理解し、経営層や他部門への啓蒙が十分に進んでいないケースも散見されます。
アンケート調査が示すDX推進の遅れと主要因
アンケート結果からは、いまだに多くの企業が輸送依頼を電話やFAX、手入力に頼っている実態が浮き彫りになりました。たとえば、輸送関連情報のデータ化については、71%の企業が手入力で行っていると回答しています。これは、デジタル技術を導入したとしても、その前段階であるデータ化が十分にできていないことを示唆しています。
DXを導入する上での効果や費用対効果が見えづらい、という声も多く聞かれ、これが投資への躊躇に繋がっていると考えられます。また、他社の導入事例が見えにくいことも、自社の取り組みを進める上での判断材料不足に繋がっています。

DX推進を阻む「コスト」「事例不足」「商習慣」の壁
DX推進の最大の課題として、半数以上の企業が「コスト」を挙げています。初期投資への不安はもちろんのこと、どれくらいの投資でどれくらいの効果が得られるのかが不明瞭であることが、経営判断を難しくしています。さらに、業界特有の商習慣もDX化を阻む要因の一つです。
たとえば、「今日受注して明日出荷する」といった短リードタイムでの配送や、ドライバーに付帯作業を求める納品形態などが依然として残っており、これらが効率化を妨げています。また、デジタル人材の不足や、データ分析スキルの欠如も深刻な課題であり、せっかくデータ化してもその活用が進まないケースも少なくありません。これらの複合的な要因が、荷主企業の物流DXを停滞させる大きな壁となっているのが現状になります。
3.新物流法が示す方向性:荷主企業が持つべきDX視点
2025年4月には「新物流法」が施行されます。これは単に法律が変わるというだけでなく、社会が大きく変化していることへの対応策であり、荷主企業はこの変化に積極的に対応していく必要があります。
物流は、電気や水道と同じように社会にとって不可欠なインフラであるという認識のもと、その持続可能性を確保するための変革が求められています。荷主企業は、物流コストの削減だけでなく、物流全体の最適化と効率化を通じて、自社の企業ミッションを達成し続けるための基盤を築くことが急務になります。
法改正と「物流インフラ」としての認識転換
新物流法は、35年ぶりの大幅な法改正となり、これまでの自由競争を促す方向から、物流を「大切な社会インフラ」として維持・発展させる方向へと舵を切るものです。この法改正の背景には、輸送能力不足への深刻な懸念があります。対策を講じなければ、近い将来、物資が「運べなくなる」事態が現実のものとなるでしょう。
このような状況において、荷主企業は運送事業者への一方的な要求に終始するのではなく、共に物流を支えるパートナーとして、効率的な荷物の受け渡し方や情報連携の改善に積極的に取り組む視点を持つことが重要になります。
デジタル化から価値創造へ:DXの真の定義と目標
物流DXとは、単にアナログ業務をデジタルに置き換える「デジタル化」に留まらない、より本質的な変革を指します。デジタル技術やデータを活用し、新たな価値を創造し、業務プロセスを根本から変革することこそがDXの真の目標になります。
例えば、電話やFAXでのやり取りを電子化するだけでなく、そのデジタル化されたデータを分析し、配送ルートの最適化や積載効率の向上、共同配送の推進、さらには顧客へのサービス品質向上に繋げることが求められます。
そのためには、データ収集の仕組みを整備し、それを活用できるデジタル人材の育成も不可欠です。荷主企業は、自社のサプライチェーン全体を見渡し、調達物流と販売物流の両面において、着荷主、発荷主双方の視点からDXを推進することで、持続可能な物流体制と競争力の高い事業モデルを構築できるでしょう。

第4章:効率化と競争力向上を実現する荷主企業のDX戦略と事例
物流クライシスを乗り越え、「選ばれる荷主」となるためには、荷主企業が具体的なDX戦略を実行し、運送会社が運びやすい環境を整えることが不可欠です。
これには、情報連携の改善、納品条件の見直し、そしてデジタルツールの積極的な活用が含まれます。単に運賃の値上げ要請を受け入れるだけでなく、運送会社との協力体制を構築し、相互にメリットのある関係性を築くことが求められます。
「選ばれる荷主」になるための情報連携と条件改善
「選ばれる荷主」となるための重要な要素の一つは、情報リードタイムの延長と情報連携のシームレス化です。現在も多くの企業で当日受注・当日配送のような短リードタイムでの依頼や、電話・FAXといったアナログな情報伝達が残っています。
しかし、運送会社が効率的な配送計画を立てるためには、より早い段階での正確な出荷情報の提供が必要です。例えば、出荷見込みを事前に伝達したり、見込みと実績に乖離がある場合は速やかに共有し、納期調整を行うことで、運送会社は最適な車両手配やコース設定が可能になります。
また、納品先でのバラ積み・バラ降ろし、ドライバーへの付帯作業の要求、特定の時間指定なども、運送会社にとっては大きな負担となり、敬遠される要因となります。パレット積載への変更、付帯作業の削減、納品時間の指定緩和など、着荷主としての条件調整は、運送効率を高め、ひいては運送会社からの信頼を得ることに繋がるでしょう。
自動配車システム導入による効率化とコスト削減
このような情報連携と条件改善を具体的に進める上で、自動配車システムのようなデジタルツールの導入は非常に有効です。ライナロジクス様のシステムを用いたデモンストレーションでは、納品時間の指定を緩和するだけで、車両台数を大幅に削減できる可能性が示されました。例えば、18台必要だった配送が、時間指定の見直しだけで14台で可能になるケースもあるのです。
自動配車システムは、車両情報、訪問先情報、注文情報(いつ、どこで積んで、どれくらいの荷物をどこに届けるか)を取り込むことで、最適な配送ルートや車両台数を自動で計算します。これにより、手作業での配送計画作成にかかる時間を大幅に削減し、積載効率の最大化、走行距離の短縮、CO2排出量の削減といった効果が期待できます。
さらに、導入前にシミュレーションを行うことで、導入効果を事前に可視化し、投資対効果を明確にすることも可能です。江崎グリコ様の事例のように、荷主企業が主導してシミュレーションを行い、納品条件の改善を進めることで、コスト削減と労働時間短縮に大きく貢献し、国の表彰を受けるまでになったケースもあります。このように、デジタルツールを賢く活用し、情報連携と条件改善に取り組むことが、荷主企業の競争力向上と持続可能な物流体制構築の鍵になります。
第5章:物流DX実現へのロードマップと船井総研ロジの支援
物流DXの推進は、一朝一夕に成し遂げられるものではありません。しかし、現状維持では「運べない時代」に直面するため、今すぐ一歩を踏み出すことが重要です。
莫大な投資をして大きな成功を掴むことだけがDXではありません。スモールスタートで成功体験を積み重ね、着実にDXへと繋げていくことが、荷主企業の皆様にとって現実的なロードマップとなります。
スモールスタートから始めるDX導入ステップ
まずは、自社の物流におけるアナログな部分を特定し、デジタル化できる箇所から着手することが肝要です。例えば、電話やFAXに頼っている輸送依頼業務を、Excelファイルによるデータ共有から始めるだけでも、情報連携の質は向上します。そこから、簡易的なシミュレーションツールやクラウド型自動配車システムを導入し、具体的な効果を検証していくのです。
導入前のシミュレーションで効果を測定し、その成功体験を社内で共有することで、DXへの理解を深め、さらなる投資へと繋げる好循環を生み出すことができます。また、行政からの助成金情報をキャッチアップし、活用することも初期投資の負担を軽減する上で有効です。

成功への鍵となる継続的な情報収集とコミュニティ活用
DXを成功させるためには、自社だけで抱え込まず、外部の知見や他社の成功事例を積極的に取り入れることが不可欠です。船井総研ロジでは、荷主企業の物流責任者の方々が集い、情報交換を行う「勉強会・情報交換コミュニティ」を定期的に開催しています。ここでは、2024年問題への対策、運賃改定への対応、ホワイト物流やESG、環境配慮といった多岐にわたる課題について、先進的な取り組みを行う企業の事例を共有し、参加者同士で解決策を探ることができます。
このようなコミュニティへの参加は、自社だけでは得られない貴重な情報やヒントを掴み、DX推進のヒントを見つける絶好の機会になります。私ども船井総研ロジは、コンサルティングを通じて、貴社の物流DX推進における現状分析から戦略立案、具体的な施策実行、そして効果検証までを一貫してサポートし、持続可能な物流体制の構築を共に目指してまいります。
このセミナーを聴いた後に取るべき行動
このセミナーで得た知見を活かし、貴社が物流DXを推進するために、以下の行動を推奨いたします。
1. 社内での現状把握と課題共有:
◦ 自社の物流部門における情報連携の実態(電話、FAX、メール、手入力の割合など)を洗い出し、アナログな業務プロセスを特定してください。
◦ 2024年問題が貴社の事業に与える影響について、経営層を含めた社内全体で認識を共有し、物流DXの必要性に対する共通理解を深めてください。
2. 情報リードタイム延長の検討:
◦ 運送会社への輸送依頼について、可能な範囲で情報リードタイムの延長を検討してください。出荷見込みの早期提供や、変更があった際の迅速な連絡体制を構築することが重要になります。
3. 納品条件の見直し:
◦ 着荷主としての納品条件(時間指定、バラ積み・バラ降ろし、ドライバーへの付帯作業など)を見直し、運送会社にとって負担の少ない、より効率的な形態への変更を検討してください。
◦ 特に、パレット利用の推進など、標準化できる部分から着手することをお勧めいたします。
4. デジタルツールの情報収集とシミュレーション実施:
◦ バース予約システム、自動配車システム、WMSなど、物流DXに貢献するデジタルツールの情報収集を行ってください。
◦ 関心のあるツールについては、デモンストレーション参加や、簡易的なシミュレーションを実施し、費用対効果の検証を始めてください。
5. 外部専門家やコミュニティの活用:
◦ 私ども船井総研ロジのような物流専門コンサルタントに相談し、貴社に最適なDX戦略の立案を支援させていただきます。
◦ 船井総研ロジが主催する「荷主企業限定の物流勉強会・情報交換コミュニティ」への参加をご検討ください。他社の成功事例や課題解決のヒントを得る貴重な機会になります。
これらの行動を通じて、貴社が物流クライシスを乗り越え、持続可能な成長を実現できるよう、私ども船井総研ロジが伴走させていただきます。
物流DXと聞いてもいまいちイメージが湧かない
物流DXに対して、何から着手すればよいのか分からない
他社での取り組み事例や成功の要因を知りたい
お申込み締切り:2025年3月4日(火)17時まで
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