物流担当者が知っておくべき物流時流と対応策~2026年問題/物流関連二法改正~(2025年下期)【セミナーレポート】
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物流担当者が知っておくべき物流時流と対応策~2026年問題/物流関連二法改正~(2025年下期)セミナーは、ご好評のうちに終了いたしました 。 当日は多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
本セミナーにご興味をお持ちいただいた方、当日ご都合がつかなかった方のために、当日の講演内容をまとめた「セミナーレポート」をご用意しております 。

物流関連二法改正と2026年問題について
新任物流担当者が必ず知っておくべき物流関連二法改正、2026年問題、物流課題について解説します。

新物流担当者が知っておくべき時流に即した対策ポイント
行政指導リスクを理解し、今後の改善取り組みに向けた必要視点を解説します。
また委託先(物流企業)との適正な関係構築法や物流コストの適正化・抑制に向けたアクションプラン等…昨今の物流課題への対策ポイントについても解説します。
「2024年問題」から「2026年問題」へ。法改正の波を乗りこなし、持続可能な物流体制を構築するための実践的な羅針盤がここにあります。
1. 最新の物流トレンドと「2024年問題」への対応
近年の物流業界は、急激な変化の波に直面しています。その中でも特に大きな影響を与えているのが「2024年問題」です。これは、2024年4月1日から施行された働き方改革関連法の改正により、トラックドライバーの時間外労働に年間960時間という上限規制が適用されたことによって生じた、様々な影響の総称になります。この規制強化は、単にドライバーの労働時間を制限するだけでなく、物流業界全体に深刻な影響を及ぼしています。

「2024年問題」の発生背景と影響
「2024年問題」の具体的な背景には、トラックドライバーの労働環境改善が挙げられます。以前はドライバーの時間外労働上限は月に98時間でしたが、2024年4月からは80時間に短縮され、年間で216時間もの残業時間削減が求められるようになりました。これにより、物流企業ではドライバーがこれまでのように多く稼げなくなることで離職に繋がりかねないというリスクが生じています。また、必要なドライバー数が増加することで、慢性的な人手不足がさらに深刻化する懸念も指摘されています。荷主企業においても、ドライバーの労働時間短縮は1日あたりの輸送能力の低下を招き、希望通りの荷物を運べない、あるいは輸送を断られる可能性が高まるという問題が発生しています。このような状況は、物流の安定供給体制を揺るがす喫緊の課題となっています。
ドライバー不足の深刻化と輸送キャパシティの現状
ドライバー不足は、単なる懸念ではなく、すでに深刻な実態として現れています。厚生労働省のデータによると、トラックドライバーの有効求人倍率は全産業平均の約2.23倍、ドライバー単体では2.71倍と非常に高く、人材確保の困難さが浮き彫りになっています。さらに、この傾向は将来的に加速すると予測されており、2030年には需要に対して約58万人のドライバーが不足すると見込まれています。これは2017年と比較して約5.8倍の不足であり、現状を放置すれば、物流機能の維持自体が困難になる可能性を示唆しています。輸送キャパシティについても同様で、2024年には輸送トン数で4億トン、2030年には9.4億トン(輸送能力の34.1%)もの不足が予測されています。これは、荷物の約3割が運べなくなる計算であり、荷主企業は物流事業者から「嫌われる行為」、例えばリードタイムの短縮要求や手待ち・手下ろし作業の強要、長時間荷待ちなどを早急に見直す必要に迫られています。今後は「選ばれる荷物」「選ばれる荷主企業」を目指すことが、物流担当者の重要な役割となるのです。
2. 「物流2026年問題」の概要と法改正への理解
「2024年問題」に続き、物流業界は「2026年問題」という新たな課題に直面しています。これは、2025年から2026年にかけて施行される「改正物流効率化法」によって生じる、物流効率化に向けた規制的措置の強化を指します。この法改正は、物流事業者だけでなく荷主企業にも大きな影響を与えるものであり、その内容を正確に理解し、対応することが不可欠です。
改正物流効率化法による新たな義務
改正物流効率化法は、主に2つの大きな変化をもたらします。一つ目は、2025年4月から全ての物流事業者に対し、物流効率化への努力義務が課されることです。これは、物流に携わるすべての企業が、効率化に向けた取り組みを推進する責任を負うことを意味します。二つ目は、2026年4月からは、特定の事業者に課される義務が強化される点です。これらの変化によって生じる諸問題を、弊社では「物流2026年問題」と呼称しています。この新たな義務は、物流業界全体の構造変革を促し、より持続可能で効率的な物流システムの構築を目指すものです。
特定荷主・特定事業者の定義と義務内容
「2026年問題」において特に注目すべきは、「特定事業者」に対する義務強化です。特定事業者とは、以下のいずれかに該当する企業を指します。
1. 特定第一種荷主・特定第二種荷主・連携貨物事業者: 取り扱い貨物重量が年間9万トン以上。
◦ 第一種荷主:継続的に運送契約を締結し発荷主行為を行う事業者(発荷主と呼ばれることが多い)。
◦ 第二種荷主:自社で車両手配をせず、貨物の受け渡しを行う事業者(着荷主と呼ばれることが多い)。
◦ 両者の違いは、運送事業者と契約を交わして発荷主行為を行うか否かにあります。
2. 貨物自動車運送事業者: 保有車両台数が150台以上。
3. 倉庫業者: 貨物の保管量が年間70万トン以上。
これらの特定事業者に課される義務は、主に以下の3点になります。
1. 物流統括管理者の選任: 荷主企業のみが対象で、CLO(Chief Logistics Officer)と呼ばれる役員クラスの担当者を選任する必要があります。
2. 中長期計画の作成・提出: トラックの積載率向上やドライバーの荷待ち・荷役時間短縮など、物流業務の効率化を図るための計画を策定し、5年に一度、所管官庁へ提出することが義務付けられます。
3. 定期報告: 策定した中長期計画における取り組みの進捗状況を定期的に報告する必要があります。 これらの義務は、特定事業者が自社の物流状況を深く把握し、具体的な改善策を計画・実行し、その成果を検証することを求めるものです。特に荷待ち・荷役時間の短縮は喫緊の課題であり、2024年度の平均荷待ち・荷役時間は合計3時間を超えており、「荷待ち時間2時間以内ルール」は未達成の状況です。この課題に対し、荷主企業は自社の取り扱い物量や荷待ち・荷役時間などの現状を正確に把握し、改善に向けた取り組みを強化することが求められます。

3. 荷主企業が直面する行政指導リスクとその回避策
物流における法改正が進む中で、荷主企業は行政指導のリスクに直面する可能性が高まっています。意図せず法令違反となるケースも少なくなく、自社の物流実態を正確に把握することが極めて重要になります。ここでは、典型的な違反事例と、リスク回避のための具体的なポイントを解説します。
典型的な違反事例と認識不足の危険性
荷主企業が見られがちな行政指導の典型的な違反事例は、主に以下の4点です。
1. 運送契約の書面交付義務違反: 運送契約の内容(役務内容、対価、燃料サーチャージ等)が書面化されていない、あるいは責任の所在が不明確な場合が該当します。口頭のみでの依頼や書面化されていない取引は、後々のトラブルや行政指導のリスクを高めます。
2. 運賃・料金の不当な低設定や値引き要求: 正当な理由なく運賃や料金の不当な値引きを要求する行為です。また、運送事業者からの値上げ要請に適切に対応しないケースや、不当な取引条件の押し付け、交渉余地のない価格設定、不当な対価を支払わない作業指示(例:ラベル貼付)なども違反に当たります。
3. 荷待ち・荷役時間の長期化: 荷主の都合でトラックの荷待ち・荷役時間が長時間に及ぶことは、物流効率化への取り組みが不十分と見なされ、違反行為となります。生産都合による荷待ちや、手作業での荷役(付帯作業)の消化は、ドライバーの労働環境を悪化させ、労働基準法違反を誘発する要因にもなります。
4. 物流効率化の取り組み不足: 特に特定荷主の場合、物流統括管理者(CLO)の未設置や中長期計画の未策定が違反行為となります。非効率な配送の発生や、過剰なサービス要求も、物流事業者への負荷を増大させ、行政指導の対象となりえます。
これらの違反は、企業が故意に行っているわけではなく、多くは自社の物流実態が見えていない、あるいは認識不足が原因で発生しています。
リスク回避のための実態把握と記録の重要性
行政指導リスクを回避するためには、以下の3つのポイントを徹底することが重要です。
1. 現状把握の徹底: ドライバーの高速時間に影響を与える運行以外の時間(荷待ち・荷役時間など)を正確に把握すること、そして契約内容と現場の運用実態とのギャップを明確にすることが求められます。荷主企業へのアンケート調査では、62%の企業が荷待ち時間を正確に把握できていないという結果もあり、現場での可視化と効率化には大きな改善の余地があります。
2. 全ての記録を残す(エビデンスの確保): 物流に関連する全ての対応(交渉履歴、改善策、運賃や料金の内訳など)を書面化し、記録として残すことが不可欠です。運賃とそれ以外の料金を明確に区分し、明文化された形で取引が行われているかを確認し、エビデンスとして保存しましょう。
3. 荷主・元請け自らが協議の場を作る: 非効率な運用や業務負荷が大きい部分について、物流事業者や協力会社を巻き込み、定期的な定例会(月1回または四半期に1回など)を通じて議論し、改善策を進めることが重要です。これにより、双方の認識のずれを解消し、共通の課題解決に向けて協力する体制を築くことができます。
これらの取り組みを怠ると、「気づかないうちに違反してしまった」という事態に陥る可能性が高まります。自社の物流が「現場任せ」になっていないか、今一度見直すことが肝要です。

4. 物流コスト構造の理解と最適化戦略
多くの荷主企業が現在、物流コストの増加に頭を抱えています。しかし、単にコストが上がったと捉えるのではなく、その構造を深く理解し、戦略的に最適化を図ることが重要です。自社の物流コストを正確に把握することは、経営戦略の見直しに直結します。
物流コストの構成と運賃内訳の透明化
まず、物流コストの全体像を理解することが大切です。物流コストは、機能別には「輸送費」「保管費」「荷役費」「その他(システム管理費など)」に分けられ、輸送費が約半分を占める割合が高い傾向にあります。また、領域別には「調達物流費」「社内物流費」「販売物流費」に分けられ、調達物流費が約70%を占める企業が多いのが実情です。ただし、この構成比は業種・業態によって異なるため、自社の比率を確認することが重要になります。
特に運賃に関しては、これまでは「運賃15,000円」といった形で、その内訳が不明確なまま契約されることが少なくありませんでした。しかし、今後は「運送費」と「荷役費」といった項目に分解し、より細かく把握することが求められます。この詳細な内訳を把握することで、どこにコスト抑制の要素があるのかが見えてきます。単に「運賃とその他費用」と一括りにするのではなく、各項目が「なぜ」「いくら」かかっているのかを明確にすることが、コスト最適化の第一歩となります。
値上げリスクの可視化と戦略的対応
物流業界における値上げは避けられないトレンドであり、その背景にはドライバーの人件費(原価の約40%)や燃料費などの原価高騰があります。特に、特殊な納品条件、時間指定、付帯作業などは、人件費を増大させる要因となります。荷主側でコントロール可能な変動要因(サービス内容、輸送距離、付帯作業時間、リフト操作など)を見直し、効率化や撤廃を検討することで、コスト抑制の余地を見出すことができます。
コストアップ率を単に受け入れるのではなく、経営の視点から「なぜ」「どの要素で」「どの区間で」コストが上がっているのかを分解し、他社との比較も含めて明確化することが重要です。現在の契約運賃と市場運賃のギャップを区間ごとに比較分析することで、非効率な運用や契約内容の不備が原因でコスト上昇率が高い区間を特定できます。
この分析結果は、以下の戦略的な判断材料となります。
• 配送ルートの見直し
• 契約内容の見直し
• 共同配送の検討
• 拠点統廃合の検討
• モーダルシフトの導入
継続的なコスト上昇が見込まれるルートに対しては、これらの物流戦略の転換を検討し、将来的な運行拒否や事業継続不能のリスクを未然に回避することが重要です。市場運賃を正確に把握し、自社の運賃が市場とどの程度乖離しているのかを知ることが、適正価格の判断基盤となり、戦略的な物流改革を推進する上で不可欠です。

5. パートナーシップ構築による持続可能な物流の実現
従来の荷主企業と物流事業者の関係は、業務委託と対価の支払いという一方向的なものでした。この関係性では、単価に影響する要素が見えにくく、なぜその価格なのか、どのような作業が行われているのかが不明確な状況が多かったと言えます。しかし、持続可能な物流を実現するためには、この関係性を抜本的に見直し、「競争パートナー」としての意識転換が不可欠になります。
従来の取引関係とあるべき姿
従来の取引関係では、価格優先になりがちで信頼関係が築きにくいというリスクがありました。コストが安い方へと流れていく一方、物流事業者からは一方的な要望が増え、不満が蓄積されるといった状況も散見されました。結果として、「もっと良い会社」「もっと良い荷主企業」への切り替えを検討する動きも生じ、不安定なサプライチェーンを招く原因となっていました。
今後のあるべき姿としては、荷主と物流事業者が「対等な立場」で、共通の目標に向かって協力し合える関係性を築くことです。そのためには、以下の3つの柱が重要になります。
1. 物流情報の透明化: 荷主企業は、業務内容、業務範囲、条件を明確化することが求められます。一方、物流事業者は発生費用の内訳や支払い状況を明確に開示することが重要です。これにより、双方にとって公平で納得感のある取引が実現しやすくなります。
2. 改善取り組みと情報開示: 荷主企業は、要件の変化に応じた改善策を提案し、物流事業者も保管効率や作業生産性の「見える化」を通じて改善提案を行うことが大切です。
3. 定例の振り返り(フィードバック): 荷主企業は定期的な委託状況の監査や定例会の実施を通じて、物流事業者からの情報提供に基づき業務改善を進めていくことが重要です。
競争パートナーとしての関係性強化
委託先として一方的に指示を出すのではなく、今後は「競争パートナー」として、ともに物流課題の解決に取り組む意識転換が求められます。この関係性では、双方(荷主と物流事業者)が「何を得て、何を出すのか」を明確にし、情報流通量、すなわち「対話」を増やすことがポイントになります。
対話を通じて、非効率な運用や業務負荷が高い部分を特定し、協力して改善策を立案・実行することが可能になります。例えば、月1回または四半期に1回の定例会を設け、荷主企業、元請け、協力会社が一体となって議論を進めることで、共通の課題意識を持ち、持続的な改善サイクルを生み出すことができます。この「協創」の精神こそが、厳しさを増す物流環境において、企業が生き残り、成長していくための鍵となるでしょう。
このセミナーを聴いた後に取るべき行動
本セミナーを通して、物流を取り巻く環境の厳しさ、そして法改正への対応の重要性をご理解いただけたことと存じます。この知識を単なる情報で終わらせず、具体的な行動へと繋げることが、貴社の物流改革、ひいては企業経営の安定化に直結します。
まず、貴社内での現状把握を徹底してください。特に、ドライバーの荷待ち・荷役時間の実態、契約内容と現場運用の乖離、そして物流コストの内訳を詳細に分析することが急務です。可能であれば、物流フローを一枚の図にまとめ、定量・定性情報から非効率な部分やコストの高い区間を可視化することをお勧めします。
次に、法改正への対応として、貴社が特定荷主に該当するかを確認し、もし該当する場合は、物流統括管理者の選任や中長期計画の策定・提出、定期報告の準備を進めてください。
そして、行政指導リスクの回避のため、全ての契約内容を書面化し、エビデンスとして記録を残すことを徹底しましょう。運賃と付帯費用の内訳を明確にし、不当な取引がないか、自社の作業が物流事業者に過度な負荷をかけていないかを再検証してください。
さらに、物流事業者との関係性を「競争パートナー」へと昇華させるための対話の場を積極的に設けましょう。定期的な協議を通じて、共同で業務改善や効率化を検討し、双方にとって持続可能な物流体制の構築を目指してください。
これらの取り組みは、言葉で言うほど簡単ではありません。もし、自社での推進に困難を感じる場合は、ぜひ弊社のサービスをご活用ください。
• ロジスティクス リーダーシップ サロン(LLS): 他社の先進的な取り組み事例や法改正への対応策を知り、情報交換を行う荷主企業向けの勉強会です。2024年7月24日(水)には、ライオン株式会社様、サントリーホールディングス株式会社様をゲスト講師にお招きし、2024年問題への取り組みや持続可能な物流の実現に向けた講演を予定しております。初回無料招待の枠もございますので、ぜひご検討ください。
• 無料相談: 個別の課題について、弊社のコンサルタントが具体的なアドバイスを提供いたします。
• 研修・講演: 貴社の業種・業態に合わせたテーマで、物流に関する知識・知見を深める研修や講演も実施しております。
この機会を捉え、貴社の物流を新たなステージへと引き上げるための一歩を踏み出されることを心より願っております。
人事異動で新たに物流部門(担当者)に配属された方
物流部として今やるべきことは何か知りたい方
物流関連二法の改正で荷主企業としてやるべきことを知りたい方
迫る2026年問題に対して何から着手すべきか悩まれている方
他社の対応状況・事例について知りたい方
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