歩合給が物流企業を滅ぼす可能性

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この記事の執筆者

三村 信明

グループマネージャー
シニアコンサルタント
同志社大学卒業後、大手繊維専門商社、大手経営コンサルティング会社を経て、2011年船井総合研究所に入社。受託型製造業(特に機械・板金・樹脂加工業などの部品加工業)や機械工具商社などのマーケティング・営業・人事制度構築・運用コンサルティングに従事する。2018年から、運送会社・物流会社を中心に人事制度構築・運用コンサルティングを手がける。2019年1月、船井総研ロジ株式会社に転籍。

歩合給は、賃金が労働給付の成果に応じ一定比率で支払われる賃金形態で、運送業では売上歩合、距離歩合など、「働いた分だけ稼げる」として多くの企業で導入されています。残業代についても、通常の 1.25 倍でなく、0.25 倍の計算が適用される点で非常にメリットがあります。

トラックドライバーの働き方改革と給与制度の課題

しかし、2024 年の労働時間上限規制(960 時間)、将来的には 720 時間へのさらなる短縮が予定されており、この制度は運用面において限界を迎える時がくるでしょう。ドライバーは稼げず、売上歩合を導入している場合、荷主交渉の成果次第によって、出来高給の格差ができ、賃金バランスが崩れて、平等だが不公平な制度になってしまうでしょう。

場合によっては、「歩合が低い仕事や割の合わない仕事はしたくない。」といった声があがって、現場のマネジメント機能が低下し、「管理職の罰ゲーム化」が進むでしょう。

付加価値が高い仕事ができるドライバーほど給与が高くなるよう設計し、限られた労働時間の中で、安全・安心・安定した働き方ができるドライバーを評価するような制度設計を行えば、マネジメント機能が強化され、組織風土も良くなるでしょう。

さいごに

等級制度、評価給などを上手く導入すれば、労働時間だけを対価にしない(仕事が遅い社員の給与が高くならない)制度設計を構築することができます。また、サカイ引越センターで未払い賃金をめぐる訴訟(出来高払制に該当しないのに出来高払制と称して残業代を低く計算し、未払いが発生している)の結果次第で、運送業における歩合給が違法となる可能性があります。下記セミナーも合わせて参考にしてください。

【関連セミナー】未払賃金訴訟と乗務員の連鎖離職を回避する賃金制度構築セミナー2025

【セミナーで学べるポイント】
・連鎖訴訟を生むNG行動
・未払賃金訴訟の正しい対応と訴訟に負けない賃金体系
・「歩合給」がダメなら、どのように給与を支払うか
・訴訟にならない賃金体系への変更でダメージを最小限にする方法!

【関連資料】トラックドライバーの人事評価・賃金制度構築手法

トラックドライバーの人事評価・賃金制度構築手法_船井総研ロジ

割増賃金未払い訴訟に負けない、物流企業の経営者が今年実践すべき具体的な賃金制度の構築手法をまとめています。

  • 【資料を読むと以下のようなことがわかります】
  • ・労働時間だけを成果にしない工夫
  • ・定着率がアップする等級制度例
  • ・人事考課で失敗しやすい評価項目例
  • ・これからの運送業に求められる人事制度