【SC経営のヒント580】商業施設がマイクロツーリズムの核となるために

船井総研の藤田です。

皆様のお店は、観光立地に位置していることも多いのではないでしょうか。
コロナ禍において、観光(宿泊・飲食・物販)は新しい様式へと変化します。
長距離移動を避けることにより、マイクロツーリズム(地元での観光・旅行)
今以上に普及していき、商業施設もマイクロツーリズムへの対応が求められていきます。

今回はコロナで大きく影響が出ている観光をテーマに、
・マーケットの現状
・事例
・商業施設がマイクロツーリズムの核となるために必要な視点
についてお伝えいたします。

観光ビジネスは以下のような現状です。弊社のご支援先さまを参考に整理しています。
・宿泊:予約が昨対比60~70%減。宴会予約は皆無。
・飲食:休業要請を受け休業中につき、売上が0のお店も。
・物販:駅・空港の出店は昨対30%の実績。
かなりざっくりしたまとめですが、御存知の通り厳しい状況が続いております。

しかし業界内には、この状況を冷静に判断し、
前向きな取り組みをしている企業も多数ございます。
緊急事態宣言中に、実際に取り組んでいた事例をご紹介いたします。

【宿泊:日帰り強化】→広域商圏から足元商圏へのシフト
※外国人観光客の割合が8割の旅館
※県を跨いだ移動が自粛されているため、
  近隣からの日帰り観光プランを作成
※感染症対策を徹底し、それを顧客にも説明。近隣からの需要掘り起こしに成功
※また、旅館を疑似体験できる動画コンテンツの配信により
手の空いた今だからこそできる取り組みで、集客力を強化

【飲食:レシピ公開でファンづくり】→顧客との接点を持ち続ける
※レストランと客の新しいコミュニケーション
※家族3食の食事を家でどうにか準備しなければいけない状況
※三ツ星レストランのシェフが、店で提供している料理のレシピを公開
※自宅で誰でも調理できるように、家アレンジができるレシピに
※自粛明け、やっぱりあの味を店で食べたいと思ってもらう狙いが

【物販:飲み方提案(ワークショップ)】→ただ通販で売るだけでなく、
オンラインによる提案を付加
※家飲みを支援するため酒蔵と土産物店が協力し、セット販売を実施
※さらに、美味しい飲み方をオンライン上で指南
※飲食店に行けないため、家飲みにお金を使う層が増えている

上記は休業中の取り組みです。
今は緊急事態宣言が解除され数日が経っています。
以下は今後の観光マーケットで商業施設が核となるためのポイントをお伝えします。

巣ごもりにより観光欲求は高まっていますが、従来通りのニーズではありません。
観光客が求めるニーズは変わってきています。
今後は「STAY HOME」から「予防対策と両立した観光」へシフトしていきます。

ポイントは大きく3つあります。
①顧客が新たに求めるニーズは「感染対策」・「三密回避」
 →対策は前提であり、いかに顧客に協力してもらうかが重要です

②「遠出」よりも、家から「近場」の観光重視になる
 →県移動を避け、より地元観光地に足を運ぶようになります
  広域集客を狙うのではなく、足元商圏に対する対策が必要です

③「周遊」より「滞在」重視になる
 →移動回数を避けるため、1つで多くの満足度を得られる施設・お店が選ばれるようになります

④「買う」だけでなく「過ごす」
 →今後商業施設に求められるのは、「買う」だけでなく、「過ごす」ことができるかどうかです
  モノからコトへ、コトからトキへ、とよく言いますが、整備できている施設はまだまだ少ないです

夏以降に集客のピークを持ってこれるよう、
・ターゲットの再設定(広域から狭域へ)
・見込み客を獲得するための積極的な販促活動(※今販促費を1.5~2倍にしている企業が目立ちます)
・顧客とコミュニケーションを取り続ける、接点を持ち続ける工夫
を「消費者が動き出している今」に準備したいところです。

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